詩篇 10
(previous:: ← 詩篇 9) | (up:: 詩篇) | (next:: 詩篇 11 →)
1 主よ、なぜ、遠く離れて立ち、 主を一番必要としているときに、 お隠れになるのですか。
2 今来て、貧しい者を邪険に扱う 高慢な者どもに立ち向かってください。 彼らの悪だくみを、その頭上に返してください。
3 彼らは、汚れた欲望を自慢し、 主をののしり、 主に忌みきらわれる者どもと意気投合しています。 彼らにとっては、金銭だけが人生の目的なのです。
4 この悪者どもは高慢で横柄で、 神は死んだとみなしているようです。 神を求める気持ちなど、毛頭ありません。
5 ところが、手がけることは何でも成功し、 敵をなぎ倒していきます。 神の刑罰が待っていることを 考えもしないのです。
6 「神も人も大した相手ではない」と 彼らはうそぶきます。 そしてどういうわけか、道を切り開いていくのです。
7 彼らの口には、 冒瀆と偽りと欺きとが満ちています。 常に悪だくみを自慢の種にしています。
8 薄暗い裏通りで待ち伏せ、 道行く人を殺しています。
9 ライオンのように息をひそめてうずくまり、 貧しい者に襲いかかろうとしています。 猟師のように罠をしかけ、えじきにします。
10 不運な人は彼らの並はずれた力に圧倒され、 一撃のもとに倒されるのです。
11 彼らは自分に言い聞かせます。 「神はこのことを知らない。見てもいない」と。
12 ああ主よ、立ち上がってください。 ああ神よ、彼らを御手で倒してください。 どうか、貧しい者を忘れないでください。
13 なぜあなたは、 悪者が神を侮るのを放っておかれるのですか。 「神に追及されることはない」と 彼らは高をくくっているのです。
14 主よ。あなたは彼らの仕打ちをご存じです。 悪行の数々をじっとごらんになったはずです。 彼らが人々にどれだけ悩みや悲しみを引き起こしたか ご存じです。 ああ主よ。さあ、罰してください。 貧しい者はあなただけが頼りなのです。 あなたは無力な者を助ける方です。
15 悪者どもの腕を折り、 最後の一人まで、追いつめて滅ぼしてください。
16 主は永遠から永遠まで王です。 他の神々に従う者は、主の地から一掃されます。
17 主よ。 あなたは謙遜な人の望みが何であるかご存じです。 必ずその叫びを聞いて救いの手を差し伸べ、 心に安らぎを与えてくださいます。
18 主は、みなしごや虐待されている人たちの そば近くにいてくださるお方です。 それで彼らは、地上の者たちから、 二度と脅かされることはありません。